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不妊治療

院長の独り言

不妊治療をされていたご夫婦が先日お見えになりました。
男子の赤ちゃんを抱いていました。
不妊治療は約15か月間でした。
結婚8年目にしてようやく授かった赤ちゃんでした。
超高齢出産と言ってよいと思います。
奥様は40代になっていらして私がお会いした時には、
「最後のチャンスと考えています。体外受精もしましたが、できませんでした」
と、おっしゃっていました。
そう言われると私も大きなプレッシャーを感じて、
『治療は辞退したいなあ』
と、内心思いました。
治療が始まり、最初の半年ぐらいはご夫婦も真面目(?)に問題なく進んでいきました。
ところがそれを過ぎると奥様がイライラし始めて、
「センセエ、妊娠の気配は見えませんけど・・・。どうなんでしょうか!」
彼女が言いたいことはよく分かります。
本当に鍼治療で妊娠するんですか? 私の体調はどうなんでしょうか!
と、いうことです。
しかしながら、治療を続けていくしかありません。
彼女は足の太陰と少陽という経がすこぶる悪いのでしたが、
少なくともその二経が良くならなければ妊娠も無理だと思われました。
治療10か月目の頃、奥様が突然おっしゃいました。
「センセエ、私、持病の慢性頭痛がまったく起きなくなりました」
その後、
「センセエ、私、花粉症が出ません」
そして
「いつも浮腫んでいた足が浮腫まなくなりました。そのせいか、体が軽い気がします」
などなど、体調の改善を教えてくれるようになったのです。
彼女は妊娠希望は依然として持っていつつ、自分の体がどんどん良くなっていくことに興味を奪われているように見えました。
そしてようやく治療13か月目の終わりごろ、
「センセエ、妊娠検査薬が+になったんです!!」
ということになりました。
私はどっと疲れが出たような感じで、
『あ~、もうこんな治療はしたくない』
と思いました。
そして治療15か月目を迎えたころ、妊娠確定と言われたのでした。
そんなこんなでようやく授かった男の子を抱いてご夫婦で挨拶にきてくださったのでした。の
先月の15日のお話でした。
カレンダーを見ると、ちゃんと、「大安」でした。