副作用の悩み

副作用って一体なんの副作用？　
もちろんお薬の副作用です。
先日いらした患者さんは、今年の初めに乳がんの摘出手術を受けた方でした。
現在、女性ホルモンの分泌を抑えるために２種類のお薬を服用しています。
ところがその治療を始めてから肌のひどいカユミに苦しめられるようになったそうです。
私もアトピー性皮膚炎を長年患ってきたので、カユミの苦しさはよく知っております。
彼女は眉間に深いしわを作って言いました。
「センセエ、まるで体の深部から湧き上がってくるんですよ」
「時々、ガ～ッて、何かが湧いてきて、急にミミズ腫れが出てくるんです‼」
気が狂いそうになるカユミのつらさは本当によく知っています。
彼女の気持ちが真に分かります。
「病院の先生に聞いたら、薬の副作用だって言うんです。でも、がんのためにはその薬は止められないと言われて・・・。もう、つらいんです！」
確かにがんの再発を抑える薬物治療をしなかったら、がんへの不安が高まります。
そうかと言ってひどい副作用には耐えかねます。
これまで私の所に見えたがん患者さんの多くが、鍼治療をすることで薬物の用量を抑え、かつ副作用に対応しつつ闘ってきました。
鍼治療はがん治療も、副作用治療もできるからです。
副作用はつらい、しかしやはり薬物治療は捨てられないのです。
今回の乳がん患者さんの治療がどのように進められるか、まだ始まったばかりなので分かりませんが、一生懸命やっていくしかありません。
私は鍼灸師ですが薬剤師でもあるので、薬物の良さはよく知っています。
しかし誰もが勘違いしがちなのでここでお話ししますが、実はお薬が病気を治してくれることはありません。
お薬は症状を緩和するためのものです。
症状が軽くなっているうちに体が自分で自分の身体を再生し、病気が快復するのを待つのです。
本質的な組織の損傷を治す効果は、薬物にはほとんど無いのです。
症状の緩和だけです。
今流行している新型コロナウイルスも、ウイルスを除去するか、生体の免疫力をアップさせるか、どちらかであろうと思います。
トランプ氏も抗体療法で復活しましたが、これも元来人が持っている免疫機能を応用したものです。
新型コロナに対抗するのは、やはり免疫力を上げることしかありません。
私たち自身の身体の能力にたよるのです。
その点、鍼治療には免疫力を上げる効果がありますから、これからの時代に即していると思います。
がんと闘って勝つにもやはり免疫力を上げることが第一なのです。
乳がんの彼女にも頑張ってもらうしかありません。
とりあえずカユミが減るような治療をしていかなければなりません。
そして食事なども注意してがん治療も並行していくようになるでしょう。
私も頑張ります。